自力で液晶パネルを交換する。
カメラ越しでは差がかなりわかりづらいのだが、液晶パネルの隅のコントラストが狂ってしまった。グレーやブラック系の壁紙を使うと隅だけ「ここ明るいやで~」と主張するので気になってしゃーない。
バックライトを暗くすると症状が出なくなるので、おそらく偏光フィルターとパネルに隙間ができてると思われる。2年くらいクラムシェル運用して、画面閉じっぱなしだったから熱でパネルの接着剤がやられた可能性が高い。
画面自体は映るので使えはするのだが、コントラスト差があまりにも気になるので作業に集中できない。メーカーに投げるのもそこそこの時間とお金がかかるので自力で交換してみる。
普通はメーカーに修理に出すか我慢して使うかの2択だろう。自分でパソコンの部品交換しようという気概のある人のために情報を残しとく。参考にしてほしい。
液晶パネルの型番を調べる
ThinkPad T14Gen2の場合、解像度違い/タッチパネル仕様/プライバシーガード仕様を含め6種類くらい液晶パネルの設定がある。
まず搭載されている液晶パネルの型番を調べたい。調べる方法は何種類かあるが、一番手っ取り早いのはLenovo Supprotから本体のシリアル番号を入力してサービス部品番号を割り出すこと。
自分のマシンシリアル番号で検索したところ2種類出てきました。
どっちの部品が自分のマシンに載っているか絞り込むには、分解してFRU番号を確認するか自己診断機能を使用してManufacturer ID(製造メーカーID)を確認する方法の2種類。
本体に搭載された自己診断機能を起動させるには、本体起動時にF10連打。起動するとSystemInformationとあるので中身を見ます。
「Choose a module」の「Display」を選択すると、搭載ディプレイの型番が記載されています。自分のマシンは「BOE CQ NE140FHM-N61」と記載されていました。
代替部品を見てみるとX1Carbon 7thやP14sでも同じ仕様の液晶パネルが使われているようで、X1 7th用でも使えそうです。
液晶パネル購入
自分は普段Aliexpressで部品を探します。FRU番号を検索窓に打ち込めば普通に販売ページが出てきます。後は納期と価格のバランスが取れた店で買うだけです。
大体価格が安いほど納期がかかる印象です。
自分は今回以下のショップで購入しました。総レビュー数が100件超えで、肯定的なレビューが97%を割っていないこと・国別レビューがある程度あれば、経験上信用できるショップと考えてます。たまにハズレを引きますが。
今回のショップは購入して翌日には発送してくれて1週間くらいで手元に来ました。
海外通販にアレルギーがあってどうしても国内で購入したいって話だったら、楽天・メルカリショップ・ヤフオクを探してみましょう。
液晶パネル交換作業
事前作業
無事交換用液晶も手元へ来たので交換していきます。作業に入る前にBIOSにて「Power」から「Disable Build-in Battery」を行ってください。高速スタートアップが無効であれば起動時F1連打でBIOSに入れます。
ベースカバー分解
底面6箇所のネジを緩めてベースカバーを外します。自分のはWWAN搭載モデルなので背面SIMトレーも外します。初手ピックやヘラを差し込むのは背面から。何回もバラしたから間違いない。
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ベースカバーを外した状態 |
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WWANモジュール |
次は下画像のようなコネクタを外します。端子上側細いバーをケーブル側に起こすとコネクタを外せるようになります。右側がeDPケーブルでこいつが液晶へ映像信号を流しています。FHDは30pinです。
同じコネクタがCPUクーラー上の黒いフレキシブルケーブル下にも同じコネクタが隠れているので同じ方法で外します。こっちはフロントIRカメラの配線です。
これで液晶ユニットとつながる配線を外し終わりました。後は外した配線をガイドから外して完全にフリーにします。このときスピーカーユニットにつながる配線が邪魔になるので、コネクタを外すかスピーカーユニットを外します。
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https://download.lenovo.com/pccbbs/mobiles_pdf/t14_gen2_p14s_gen2_hmm_ja.pdf |
次に液晶ユニットを分離します。
先にヒンジ部分のネジを先に緩めます。下図のようにしたら基盤側を支えながらヒンジを固定しているネジを完全に外します。
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https://download.lenovo.com/pccbbs/mobiles_pdf/t14_gen2_p14s_gen2_hmm_ja.pdf |
これで液晶部分を分離できました。
液晶部分が外れたら液晶パネルへアクセスするため、前面カバーを外していきます。
ツメと両面テープで留められています。赤枠で囲んだあたりに両面テープが貼り付けられているので、などで粘着面を切り離していきます。左右上隅から作業すると外れやすいです。
外すには前面ベゼル・液晶パネルにキズが入るので、嫌な人は新品ベゼルも一緒に購入しましょう。AliExpressでおよそ3~4,000円程度で販売されています。購入する際は搭載カメラでベゼル形状が違うため良く確認しましょう。
プラスチックヘラ・スパッジャーは以下のやつを使ってます。 amazonでおよそ500円くらい。(2025/03/02現在)

ベゼルを外し終わりました。かなり強力な両面テープで貼り付けられていたので外すのに苦労しました。
これで液晶パネルを交換できるかと思いきや、液晶パネル裏に液晶を固定するための専用粘着テープが貼られています。今回は新品を購入し忘れたので再利用します。
このアンテナ線の上にある黒いやつが専用粘着テープの一部。正式名称を弾性粘着テープというそうです。液晶の種類によって貼り付け位置が違うようなので保守マニュアルをよく確認してください。テープを外した感じ、かなり伸びるので再利用するならプチッと切ってしまわないように注意しましょう。
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https://download.lenovo.com/pccbbs/mobiles_pdf/t14_gen2_p14s_gen2_hmm_ja.pdf |
液晶パネルを交換したら、先に画面が映るか確認してから組み立てましょう。
ベゼルの固定に両面テープを使うので、組み間違いや初期不良があったらもう一度分解するハメになります。
両面テープは3M 9448Aアクリル両面テープを使いました。ただ…AMAZONの中華業者から購入したので正規品なのかわかりません。1mm~5mm裁断のものは中華業者以外販売していないので他に選択肢が無いのですが…
接着幅ですが上側と左右側が2mm・下側が5mm幅です。
自分は1mm幅を複数貼り付けて対応しましたが面倒だったので1~3mmのセット品か2mm幅をおすすめします。
まとめ:セルフ修理に厳しい時代になった。
今回交換に要した部品代は、液晶パネルのみ9,000円くらい。再利用したベゼルをもし交換していたら13,000円くらいでしょうか。交換作業時間はおおよそ3時間程度・下調べに3時間程度の6時間くらいかかりました。半日仕事って感じです。
昔よりセルフ修理の難易度が上昇してます。前は「部品買って自分で替えればええやん?」と気軽に言えましたが、今は「道具をそこそこ揃えなければ、修理の土俵にすら立てない。メーカーに任したほうが…」としか。
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