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【自作キーボード】自作キーボードキットを組み立てる。【XD64 v3.0 PCB】

パソコン・周辺機器 2025/05/11

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XD64自作キーボード組み立て完成品

ファンクションキーいる?

ということで、久しぶりのブログ更新です。
今回は海外から60%サイズのキーボードキットを輸入しました。

メカニカルキーボードの規格について

規格を詳しく説明しているともう2記事くらい書けてしまうので今記事では割愛。気になる方はayatothos様の下記noteが詳しく説明されているので読んでみてください。

なぜ60%キーボードを?

動機としては、完全にゲーム特化のキーボードが欲しかった。スプラトゥーン用にプロコンを買う感覚に近い。

中でも60%サイズを選んだ理由として

  • 世界中でかなり数が出ていて、スイッチ・キーキャップ含めトータル15,000円程度で入手可能
  • ゲーム中、ファンクション・テンキーの使用頻度がかなり低いこと
  • 日本語情報や先駆者の数が多いこと

以上。

XD64(XD60)とDZ60の違いについて

よく国内の自作キーボード界隈ではGH60クローン基盤であるDZ60という基盤が元になっていることが多い。いったいXD64と何が違うのか簡単に解説する。

今、新品で入手できるのはDZ60 rev2.0/rev3.0・XD64  rev3.0の3枚。

  • DZ60rev2.0

DZ60rev2.0はHotSwapソケットを採用しているため、キースイッチのはんだ付けが不要。その代わりキーレイアウトが固定。アンダーグロウRGB付き。

  • DZ60rev3.0

HotSwapソケットが廃止。スイッチのはんだ付けが必要となったが、キーレイアウトが自由に組めるように変更された。分割スペースキーレイアウトをサポート。DZ60rev2.0と同じアンダーグロウRGB付き。コントローラーはATmega32U4。

  • XD64PCB rev3.0

今回はXD64の基本配列で組み立てたため、XD64という名称を使用しているが、本当はXD60 PCBの派生レイアウトの1つ。

DZ60rev3.0と同じレイアウト。こちらは分割スペースキーレイアウトをサポートしていない。アンダーグロウRGBはついているが制御ソフトウェアに難あり。コントローラーはATmega32U4。

※2025年現在、DZ系統は今どこもディスコン。昨今、メーカー製キーボードでもレイアウトをカスタムできるキーボードが出てきているため、XD系統もいつディスコンになるやら。

GH60とは?

Geekhack(https://geekhack.org/index.php)と呼ばれるカスタム好きの集まる大きな掲示板で規格された60%キーボード基盤がGH60。

GH60 Keyboard Project :https://geekhack.org/index.php?topic=34959.0

自作キーボード界隈のビックバンと言えるくらいにGH60の登場は大きな衝撃を与えました。これのクローン基盤がXD60/64・DZ60/Satan GH60 etc... 数えるとキリがありません。今の60%キーボードはISO/ANSIレイアウトなら、大抵GH60規格で作られていることが多いので、ケースを使いまわすことも可能だったり。

購入先

本題のキットですが今回はAliExpressにあるKPrepublic Storeというショップから購入しました。海外輸入になるので注文から発送・到着まで1ヶ月くらいかかります。

国内で完結させようと思うと、遊舎工房さんが基盤違いですが自作キットを販売しています。ケース・定番キースイッチ・キーキャップも売っているようなので、国内ですべての部品を揃えるならオススメ。

自分のXD64レイアウト

自分のXD64レイアウトはこんな感じ。ベースレイアウトにF1~F12をFn同時押しでショートカットできるようにしてあるだけ。基本レイヤー画像のN/AはXD64の2.25U仕様ではキースイッチの反応しない場所。

XD64自作キーボードレイアウト1
基本レイヤー

XD64自作キーボードレイアウト2
レイヤー1

キット内容

今回購入したキットの内容は以下の通り
・基板(XD64 rev3.0)
・ケース(樹脂製、アルミケースもキット料金に追加で払えば買えるらしい)
・キースイッチ(GATERON製Cherry互換スイッチ・今回は50gの黄色軸)
・スタビライザーとバックプレート(Shiftキー 2.25U用)
・バックライト用LED(単色。RGBはたぶん非対応?)
以上。これに自分の好きなキーキャップを購入しましょう。

押下50gのキースイッチってかなり重い部類です。最初は茶軸や赤軸・ピンク軸なんかの30~45g台のキースイッチをオススメします。

また、キーキャップは基本英字配列または無刻印のやつしかないと思ってください。マイコン側に日本語配列を書き込むことはできますが、JIS配列キーキャップはFilco製キーボードの交換用キーくらいしか選択肢がありません。海外製では見たことがないです。

組み立て方法

組み立てですが、今回使用したXD64基板の場合面倒な作業はスイッチを基盤にはんだ付けすること、キー配列をコントローラーに書き込むことだけ。GH60系基盤は、抵抗やコンデンサが基盤に対して実装済みのものが多いです。日本のカスタムキーボード界隈で有名なMint60などは抵抗とコントローラー基盤もはんだ付けする必要がある場合があります。

基盤テスト

まず基盤が動作するかテストしましょう。PCにつないでHID Keyboard DeviceまたはXD64PCBと認識される確認してください。(初期FWによって表示名が変わります。)

表面実装されている抵抗にはんだ不良がないか下記画像みたいにピンセットでテストしてください。テキストエディタで確認しても良いですが、キーマップとにらめっこになるので、キーボードテスターソフトかテストサイト(チュートリアルに同梱されています。)を利用したほうが楽です。

PCBパターン導通テスト画像
引用元KBDFANS XD64Flash Tutorial

注意:テストを行わないでキースイッチをはんだ付けすると不良品の時返品不可になります。

基盤とPCの接続ですが100均のUSB A to C ケーブルは推奨しません。自分は5~6本購入しましたが、端子部分の精度が悪くてきちんと挿さらないものが混じってました。不具合の元なので規格準拠品をおすすめします。自分はオウルテック販売のAtoCケーブルを使用しています。

キースイッチの取り付け

次にPCBにキースイッチを取り付けていきます。

このPCBで間違えやすいところと言えばShiftキーのサイズ違い(2Uと2.25U)ですかね。

自分のようにバックプレートを使う場合は、設定されたキーサイズ通りにしか組み立てられないので、気にする必要はありません。ShiftやSpaceキー用のスタビライザーはPCBに直接取り付けます。

PCB上にも、どこになんのスイッチが付くか小さく印字されているので、わからなくなったら印字を確認して差し込んでいきましょう。バックライト用のLEDはここでは差し込まずに、キー本体をはんだ付けした後に取り付けると楽です。

XD64自作キーボード組み立て画像
基盤にバックプレートとスイッチをはめ込んだ状態

あらかたスイッチをはめ込み終わったら、裏を向けてひたすらはんだ付けしていきます。この時裏の実装部品にはんだごての先を当てないように注意しましょう。
はんだ付けが終わったら、PCにつないでスイッチが反応するかテストしましょう。これ飛ばすとはんだ不良があったときに非常に手間がかかります。
はんだごてはLEDや抵抗を取り付ける必要がある場合、温度調節ができるものをおすすめします。LED付けないなら温度固定のホームセンターで販売されているもので十分です。

自分は白光のFX600を使用しています。5000円程度と温度制御できるはんだごてでは安価な割に温度上昇が早いのと、交換ヘッドの種類が豊富かつ社外互換品も多数発売されているので入門機としておすすめです。

キースイッチがすべて反応することが確認できたら、バックライト用のLEDを差し込んでひたすらはんだ付けです。このときLEDは熱に弱いので、はんだ付けは早め早めに作業しましょう。

配列書き込み

はんだ付けが終わったら配列を書き込んで行きます。
自分は2.25Uのバックプレートを使用したので、配列も2.25Uに合わせたものを書き込みます。レイヤー分け・ショートカットの割当・バックライトの切り替え・音量調節の機能キーも自由に決めれるので自分の使いやすいように配列を書き換えてください。自分は面倒だったのでデフォルトのままです。

XD64DFUモード切り替えスイッチ

まずはコントローラーをDFU(書き込み)モードに入れる必要があります。PC側のデバイスマネージャーを開いたら、PC本体のUSBポートに基盤を接続します。その後基盤背面にあるボタンをPCから「ピポッ」と鳴るまで押します。するとHID Keyboard DeviceからATm32U4DFUと表示名が変わります。

XD64 デバイスマネージャー認識

この表示になれば書き込み準備は完了です。画像ではパソコン側にドライバをインストールしていないため

チュートリアルに同梱されていたzadigを使用して、Atmega32U4へUSBドライバを書き込みます。

これは配列を書き込むのに必要な作業です。※カスタムされているようで、zadig公式からダウンロードしたzadigを使ってWinUSBをインストールしたものだと、拡張機能を使用して配列を書き込むことができませんでした。

書き込みが終わったら一度USBケーブルを抜きます。

再度差し込むとhttps://www.xiudi.fun/というサイトで配列を書き込むことが可能になります。ただ最近サイト上から書き込みできなかったり、書き込み途中で失敗するのでQMK ConfiguratorとQMK Tool使ったほうがいいです。使い方の記事は後で書きます。

フルサイズキーボードとの比較

フルサイズキーボードと60%サイズキーボードの比較画像
フルサイズとの比較

フルサイズと比べてみると60%と呼ばれる意味がよくわかると思います。

まとめ

キーボードキットの中では比較的組み立てやすいと言われているだけあって、迷うことなく組み立てできました。テンキーレスキーボードでもサイズが大きいと感じる人は、60%サイズのキーボードに手を出してみてはいかがでしょうか。

※Amazonを巡回していると似たレイアウトのキーボードベアボーンが販売されており、わざわざ輸入しなくても手軽に入手できるようになりました。(自分も買ってみるか...)

今回参考にさせていただいたサイト

・ASCII.jp(https://ascii.jp/elem/000/001/612/1612870/)
・Autumn-Color.com(https://www.autumn-color.com/archives/2096
・Qiita@chesscommands
・自作キーボード温泉街の歩き方(https://salicylic-acid3.hatenablog.com/entry/switches-review